なぜむくむのか

いつもお世話になります。

先日患者さんから「どうしてこんなに足がむくむんだろうか?」という質問がありました。

本人としては筋肉がないからだろうか?と思っておられるようでした。

結論から先に言えば、おそらくそれもひとつ正解だろうと思います。

ふくらはぎがむくむ原因は、下腿三頭筋を初めとする下肢の筋ポンプ作用が働かずに静脈血を還流させられないことが大きな原因だからです。重力にしだがって血液は足先に落ちますが、心臓に戻るためには大きなエネルギーが必要ですからね。

しかしそれだけが原因でしょうか?それなら歩いているのにむくむひとはなぜでしょうか。しっかり足の筋ポンプは働いているのでは?

 

自分はおそらく筋以外にも血管や内蔵の不具合も少なからず原因があると思っています。

身体の水分のバランス調整に最も影響のある臓器は腎臓と膀胱であると思うのですが、腎臓の疲労や老化によっても水分代謝は落ちると思います。動脈硬化に代表されるように、血管の老化も血液を送り出すときの弾性(血液が血管を押すので血管は伸び縮みしている)を低下させるので、むくみを生みます。老朽化した水道管がつまったり壊れやすいイメージですね。

つまりむくみというのは、身体の機能が総合的に低下しているというサインとみることもできるのではないかと思っています。

具体的な痛みを伴うとは限らないので、放置されていることも多いのですが、私はできるだけ早い段階で改善に努めたほうがより長く健康で生きていられるのではないかと思います。

腎臓は体を解毒し、血管は酸素や栄養を全身に送る大切な機関です。

皮膚や骨、脳にとってさえも絶えず循環していることは人体にとって必須なのです。

東洋医学が腎臓や生殖器、下肢帯をまとめて「腎」と扱ったのはとても深い考えだなと思います。