私たちセラピストという職業は、患者さんよくなったと喜んでくれればうれしいものです。
おそらくこれは柔道整復師、鍼灸師だけでなくPT,OT、あんま、指圧、マッサージ師さん皆そうだと思います。もちろん整体師の人たちもですね。
でも本人がよくなったといっているけれども「今日はどんな感じですか」と聞いたときに、主訴が全然変わっていないときはどうするのでしょうか。
確かに「楽になった」「軽くなった」と言っておられるんですが‥
逆に「全然よくならない」って言われたときはどうでしょうか。
自分はそんなとき視診、触診から始まって、可動域検査、MMT、、関節の遊びのチェック、患部の圧痛をみて判断にします。健側との左右差もそうですね。
学校で教えてもらった基本に返ります。時々血管の拍動もみますね。
「痛い」とか「痛くない」はとても曖昧なもので、そのときの患者さんの精神状態にもけっこう左右されてしまいます。だからできるだけ必要な他覚所見を積み重ねておきたいところです。
評価というのは特定の疾患を導き出すことよりもむしろ、症状の変化を確認するためにより重要はないかと考えています。特定の疾患をイメージしてしまうと、先入観でほかの情報がはいってきづらくなりやすいです。だからより患部を正常な状態にちかづけていく過程で、自然と痛みや違和感が取れている、それが理想だと思っています。
患部の痛みがとれたかどうかだけを追いかけてしまうと、局所付近への強度の強い手技や刺鍼に偏る傾向がでてきます(すくなくとも私は)
強い刺激で感覚を遮断させてしまうと、一時的に痛みが感じなくなるからですね。
実際そういった方法でも症状が改善することがあるのですが、決していい治しかたではないように最近は思うのです。
東洋医学でいう「標治」っていうんでしょうか。一時的にでている症状をとりあえず緩和させることです。ここだけで治療を止めてしまうと「先生よくなった!全然痛くない!」って帰っていった患者さんが数日後に再発させることがあります。
「なんでそこが痛くなったのか」への視点が完全に抜け落ちているからですね。
「本治」根本から治すためには、症状のでている部位に悪影響を与えているほかの部分の評価が大事です。自分だったらとりあえずは隣の関節からみていくことが多いです。膝の痛みだったら股関節、手首だったら肘みたいな感じですかね。それをたどっていくと末梢の痛みでもやっぱり原因が頸部や仙腸関節のあたりにいきついてしまいますね。
逆に股関節とか腰痛だったら、足首、膝、肩甲骨まわりとかですね。
結局全身みてるか‥
でもそういう考えかたをしていると、なんだか部位ごとの保険請求と矛盾がでてきますよね‥ほかの先生方はどう考えているんでしょうか。
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